岡山市のふじおか歯科・矯正歯科。出来る限り痛くない歯医者、先端機器によるインプラント治療。

コラム

矯正治療

マウスピース矯正中に飴は食べていい?外す・磨く・洗うの正しい付き合い方

マウスピース矯正中に飴は食べていい?外す・磨く・洗うの正しい付き合い方

マウスピース矯正の治療中であっても、装置を外せば飴を食べることができます。

しかし、装置を装着したまま舐めることは原則として避けなければなりません。

装着した状態で飴を口にすると、糖分が歯と装置の間に停滞して虫歯リスクが高まるほか、装置の着色や破損の原因となるためです。

この記事では、装着したまま飴を舐めるリスクや適切な摂取手順、種類別の注意点について解説します。

この記事でわかること

  • 飴を食べてよいかの結論と、装着したまま舐めるリスク
  • 飴を食べるときの正しい手順と、のど飴・キシリトール飴の正確な扱い
  • 装着時間を守りながら飴と無理なく付き合う工夫

結論|マウスピース矯正中でも飴は「外せば」食べられる

マウスピース矯正中であっても、装置を外すことで飴の摂取は可能です。

装置を外した状態で食べ、食後に口腔内の清掃と装置の洗浄を行ってから再装着することが基本原則となります。

マウスピース型矯正装置は着脱可能であるため、適切な手順を踏めば飴の摂取を全面的に禁止する必要はありません。

なお、実際の装着時間や治療への影響は個々の口腔状態や症例により異なるため、本記事の情報は一般的な目安として捉えてください。

装置を外せば飴は食べられる|ただし装着したまま舐めるのは避ける

マウスピース矯正で使用するアライナー(装置)は自由に着脱できるため、取り外した状態であれば飴の摂取による治療への直接的な悪影響は抑えられます。

しかし、装着したまま舐めることは厳禁です。

関係学会の指針においても、アライナー装着中は原則として水以外の飲食を控えるべきであるとされています。

飴もこの規則に違わず、摂取の際は必ず装置を取り外すことが大前提となります。

なぜ「つけたまま」がよくないのかをこの記事で整理する

装置を装着したままの飲食が不可とされる理由を正確に把握することは、装置のトラブルや虫歯の発生を未然に防ぐ上で重要です。

臨床上のリスクや背景を理解しておくことで、適切な自己管理が行いやすくなります。

以下では、装置を装着した状態で飴を舐めた場合に生じる具体的なリスクについて解説します。

装着したまま飴を舐めるとどうなる?4つのリスク

装置を装着した状態で飴を舐めると、主に以下の4つのリスクが生じます。

いずれも装置を外さずに摂取することで発生しやすくなるため、それぞれのメカニズムを正しく把握しておくことが重要です。

装着したまま飴を舐めるとどうなる?4つのリスク

リスク1|糖分が閉じ込められて虫歯になりやすくなる

1つ目のリスクは、虫歯(う蝕)の発生頻度が高まる点です。

装置をつけたまま飴を舐めると、溶け出した糖分が歯面と装置の隙間に密閉され、通常よりも長時間にわたって歯が糖にさらされる状態が続きます。

唾液には口腔内を洗い流す自浄作用や、溶け出した歯の成分を補う再石灰化作用がありますが、歯面が装置で覆われているとこれらの機能が著しく低下します。

その結果、糖分が歯面に長期間残留し、虫歯の発症リスクが高まります。

「シュガーレス(ノンシュガー)であれば装着したまま舐めても問題ない」と誤解されるケースがありますが、これは不適切です。

糖分が含まれていない場合でも、飲食物の成分が装置の内側に滞留することで口腔内の衛生環境が悪化するため、糖分の有無にかかわらず装着中の摂取は避ける必要があります。

リスク2|色素で装置が着色・劣化することがある

2つ目のリスクは、装置の変色や材質の劣化です。

のど飴や着色料の濃い飴に含まれる色素や各種成分が、装置に染み込むことで変色を招く場合があります。

透明度が高く目立ちにくいというマウスピース型矯正装置のメリットが、着色によって損なわれる恐れがあります。

審美性を維持するためにも、色や糖分の濃い飲食物は必ず装置を外してから口にする必要があります。

リスク3|硬い飴を噛むと装置が変形・破損する恐れがある

3つ目のリスクは、装置の物理的な変形や破損です。

装着中、または外した直後に硬い飴や氷を無理に噛み砕こうとすると、装置に過度な負荷がかかり亀裂や破損を招く原因となります。

装置の破損や変形は再製作を要し、治療計画の遅延につながる可能性があります。

装置を取り外した状態であっても硬い飴を強く噛むことは避け、口腔内で溶かすように摂取することが推奨されます。

リスク4|着脱や長時間の摂取で装着時間が不足する

4つ目のリスクは、アライナーの装着時間不足です。

飴を頻繁に摂取するためにその都度装置を取り外したり、長時間かけて舐め続けたりしていると、1日の合計装着時間が目標値に届かなくなる恐れがあります。

関係学会の指針が示す通り、マウスピース型矯正装置による治療成果は、規定の装着時間を満たせるかどうかの自己管理に大きく依存します。

飴の摂取に伴い装置を取り外している時間は装着時間に含まれません。

間食の頻度が増加するほど、規定の装着時間を確保することが困難になる点に留意が必要です。

飴を食べるときの正しい手順|外す→食べる→磨く→洗う→再装着

飴を摂取する際は、以下の5つの手順を遵守することが基本です。

食後に口腔内と装置の双方を清掃してから再装着することで、虫歯や着色のリスクを最小限に抑えられます。

飴を食べるときの正しい手順|外す→食べる→磨く→洗う→再装着

ステップ1〜3|装置を外して飴を食べ、食後に歯を磨く

飴を口にする際は必ず事前に装置を取り外します。

摂取後はそのまま装置を戻すのではなく、速やかにブラッシングを行うことが重要です。

糖分や粘性のある成分が口腔内に残った状態で装置を再装着すると、成分が歯面に密着したまま固定され、虫歯リスクが急激に高まります。

「装置を外して食べたら、装着前に必ず磨く」という習慣の徹底が求められます。

ステップ4〜5|装置を洗ってから再装着する

口腔内の清掃に加え、再装着前には装置自体の洗浄も行います。

装置は流水で流しながら、必要に応じて中性洗剤や専用のマウスピース洗浄剤を用いて清掃するのが適切です。

なお、洗浄剤の成分によっては装置の白濁や劣化を招く恐れがあるため、必ずマウスピース型矯正装置に対応した製品を使用し、取扱説明書を確認してください。

外出先などでどうしてもブラッシングが困難な環境にある場合は、最低限の処置として水で入念にうがいをし、糖分を洗い流してから再装着します。

その上で、その日の間食の頻度を調整し、帰宅後に速やかに対象のブラッシングと装置の洗浄を行ってください。

のど飴・キシリトール飴は大丈夫?種類別の考え方

のど飴やキシリトール配合の飴であっても、「装着したまま舐めてよい」という例外にはなりません。

薬効成分を含むのど飴や、虫歯の原因になりにくいとされるキシリトール飴であっても、摂取の際には装置を取り外し、その後に清掃を行う原則は共通しています。

のど飴|風邪・乾燥時でも基本は外して、食後に歯磨きを

のど飴の多くには糖分や果糖ブドウ糖液糖などが含まれており、装着したまま摂取すると通常の飴と同様に虫歯や着色のリスクを引き起こします。

風邪の引き始めや乾燥する季節など、頻繁にのど飴を欲する時期ほど注意が必要です。

使用頻度が増えることで装置を取り外す時間が長くなり、結果として矯正治療の進行に影響を及ぼす可能性があるため、のどのケアと並行して装着時間の管理にも配慮が必要です。

キシリトール飴・シュガーレス飴|虫歯になりにくいとされるが「外して」食べる

厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、キシリトールなどの代用甘味料はう蝕(虫歯)の原因になりにくく、予防に寄与する性質を持つとされています。

しかし、「虫歯の原因になりにくい成分であること」と「装置をつけたまま摂取してよいこと」は同義ではありません。

キシリトール飴やシュガーレス飴であっても、粘性成分やその他の添加物が装置の内側に残留すれば衛生上の問題が生じるため、必ず装置を取り外して摂取し、食後の清掃を行う必要があります。

食べてよい飴・避けたい飴の考え方

飴の種類に応じた注意点と選択の目安は以下の通りです。

いずれの種類であっても、装置を取り外した上で摂取することが前提となります。

食べてよい飴・避けたい飴の考え方

装着時間を守りながら飴と付き合う工夫

飴の摂取を全面的に断つ必要はありませんが、規定の装着時間を維持するためには間食の頻度自体をコントロールする必要があります。

「装置を外して食べ、速やかに清掃する」という原則に加え、「摂取時間を決める」「長時間だらだらと舐め続けない」といった時間管理を意識することで、装置への影響を最小限に抑えられます。

なお、治療効果や期間は症例により異なるため、個別の状況に応じた配慮が必要です。

装着時間の目安(1日20〜22時間)と間食頻度のトレードオフ

関係学会が指摘するように、マウスピース型矯正装置は毎日長時間の装着が大前提であり、その遵守状況が治療結果を左右します。

標準的な装着時間の目安は1日20〜22時間程度とされていますが、必要な時間は個々の症例や治療計画によって異なります。

間食の回数が増加するほど装置を取り外す頻度も高くなり、結果として必要な装着時間が不足するリスクが生じます。

飴の摂取頻度とアライナーの装着時間は相反する関係にあるため、摂取の際は1日の総装着時間とのバランスを厳密に考慮することが求められます。

間食の回数を抑えることが虫歯予防にもつながる

厚生労働省の「e-ヘルスネット」においても、糖分を含む飲食物の摂取回数や頻度を制限することは、虫歯(う蝕)予防において極めて有効であると示されています。

飴の摂取頻度を抑えることは、アライナーの装着時間を確保するだけでなく、口腔内の虫歯リスクを低減させる観点からも極めて合理的です。

同サイトでは、代用甘味料を食間に適切に取り入れる手法も紹介されています。

「時間を決めて摂取する」「だらだらと口の中に糖分を留めない」といったルールを設けることで、治療に悪影響を与えずに嗜好品と付き合いやすくなります。

困ったときは自己判断せず担当医に相談する

規定の装着時間を維持することが困難な場合や、装置の適合状態に違和感・破損が生じた場合、あるいは食生活の面で支障が出ている場合は、自己判断で対応せず担当医の診察を受けることが重要です。

飴の摂取に関する具体的な許容範囲や装置の取り扱い、装着時間の詳細な目安は、患者の症状や使用している装置の特性によって異なります。

最終的な臨床判断は担当医の指示に従う必要があります。

疑問や問題が生じた場合は、速やかに通院先の歯科医院へ相談してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 飴を装着したまま舐めてしまったときはどうすればいいですか?

誤って装着したまま舐めてしまった場合は、即座に装置を取り外し、口腔内を入念にすすいでブラッシングを行ってください。

同時に装置も適切に洗浄した上で再装着します。

一度の失念が直ちに致命的な問題になるわけではありませんが、糖分の滞留や着色を最小限に抑えるため、迅速なケアが不可欠です。

Q. 外出先で飴を食べたあと、どうしても歯磨きができないときの応急処置は?

ブラッシングが困難な環境では、最低限の応急処置として水による入念なうがいを行い、口腔内の糖分を可能な限り洗い流してから装置を再装着してください。

その後は同日の間食を控えるなどの調整を行い、帰宅後は速やかに丁寧なブラッシングと装置の適切な洗浄を行う必要があります。

Q. 飴を舐めている時間(装置を外している時間)も、装着時間に含めて考えてよいですか?

装置を取り外している時間は、いかなる理由であっても装着時間にはカウントされません。

飴を舐めるために要した時間は治療の稼働時間外となるため、外している時間が長引くほど1日の目標装着時間(一般的に20〜22時間)を満たせなくなるリスクが高まります。

Q. ガムやその他の間食も飴と同じように考えていいですか?

基本的な考え方は共通しています。

装置を装着した状態での飲食は一律で避け、摂取の際は必ず装置を取り外し、その後に口腔内の清掃と装置の洗浄を行ってから再装着する手順を徹底する必要があります。

特に糖分の多いもの、色の濃いもの、粘着性や硬さのある食品は装置トラブルの原因となるため注意が必要です。

Q. 飴で装置が割れた・着色したかもしれないときは?

装置の亀裂、破損、あるいは著しい着色が疑われる場合は、自己判断でそのまま使用を継続せず、速やかに担当医へ連絡してください。

変形や破損が生じた装置を使い続けると、歯に適切な力が加わらず治療計画に狂いが生じる恐れがあり、装置の再製作が必要になるケースもあります。

まとめ|飴は外して食べ、磨いて・洗ってから再装着を

マウスピース矯正中であっても飴の摂取は可能ですが、装置を取り外した状態で行うことが鉄則です。

装着したまま舐めると、糖分の密閉による虫歯リスクの上昇、色素沈着による装置の変色・劣化、硬度による装置の破損、さらには着脱頻度の増加に伴う装着時間不足など、多角的なリスクを招きます。

飴を食べる際は「外す→食べる→磨く→洗う→再装着」の一連の手順を遵守し、のど飴やキシリトール配合の製品であっても同様の管理を行ってください。

装着時間を意識しながら間食のメリハリをつけることで、口腔環境と装置の健全性を守り、計画通りに治療を進めることが可能になります。

自己管理で懸念がある場合は、我慢や自己判断をせず担当医に相談してください。

なお、具体的な装置の取り扱い方針や装着時間の目安は、症例や治療内容により異なり、個人差があります。

マウスピース矯正は原則として公的医療保険が適用されない自由診療(自費診療)となるため、費用や詳細な治療条件については事前に歯科医院でご確認ください。

参考文献

[1] 公益社団法人 日本矯正歯科学会「ポジションステートメント マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」 (https://www.jos.gr.jp/4348)

[2] 日本臨床矯正歯科医会「カスタムメイドのアライナー型矯正装置(マウスピース型矯正装置)に対する本会の見解」 (https://www.jpao.jp/orthodontic_dentistry/idea/view_on_aligners.html)

[3] 公益社団法人 日本矯正歯科学会「カスタムメイド(マウスピース型等)の矯正装置の注意事項」 (https://www.jos.gr.jp/medical/3876)

[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法」 (https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-013.html)

[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「むし歯の予防法(総論)」 (https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-005.html)

記事監修者

ふじおか歯科・矯正歯科 院長 藤岡 直也

ふじおか歯科・矯正歯科 院長

藤岡 直也

  • 日本顎咬合学会認定医
  • 国際口腔インプラント学会ISOI認定医
  • 日本口腔インプラント学会 会員
  • ILSC即時荷重研究会 理事
  • Study Group Make A Line 理事
  • 北九州アライナー咬合学研究会 理事
  • MEGAGEN IMPLANT 公認インストラクター
  • Align Educator(Invisalign Official Speaker)

院長情報を詳しく見る

ふじおか歯科・矯正歯科への
ご予約・お問い合わせ