子供の歯科矯正で保険適用となる3つのケース│年齢制限や費用目安も解説
「子供の歯並びが気になるけれど、矯正って保険が使えるの?」
「矯正治療の費用を少しでも抑えたい」
お子さんの歯並びを心配する中で、そんな疑問を持たれた親御さんは少なくないでしょう。
子供の歯科矯正は、原則として自費診療(保険適用外)ですが、一部例外として保険が適用されるケースもあります。
この記事では、子供の歯科矯正の保険適用の条件・対象疾患・費用の目安、自費の場合でも費用を抑える方法などを詳しく解説します。
子供の歯科矯正も例外を除き原則自費診療
子供の歯科矯正は、大人の矯正治療と同様に、原則として保険が適用されない自費診療です。
日本の健康保険制度は「病気やケガの治療」を対象としており、見た目の改善や予防を目的とした矯正治療は、審美的な処置と位置づけられるため保険の対象外となっています。
指しゃぶりや口呼吸などの悪い癖(口腔習癖)や噛み合わせ、歯並びなどは子供の発育に影響するため、「保険適用の範囲となるのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、現状では小児矯正も原則自費診療となります。
ただし、身体の異常や病気が原因の場合、例外的に保険適用となるケースもあります。
子供の歯科矯正で保険適用となる3つのケース
子供の歯科矯正で健康保険が適用されるのは、以下のように限られた条件を満たす場合のみです。
- 厚労省指定疾患に起因する咬合異常矯正
- 3歯以上の萌出不全の矯正
- 顎変形症手術前後の矯正治療
また、どの歯科医院でも保険で治療が受けられるわけではありません。
保険適用の矯正治療を受けられる医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準を満たし、地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関に限られています。
ここでは、子供の歯科矯正で保険適用となる3つのケースについてそれぞれ詳しく解説します。
(参考:公益社団法人・日本矯正歯科学会『矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは』)
厚労省指定疾患に起因する咬合異常矯正
「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合(噛み合わせ)の異常に対する矯正治療は、保険が適用されます。
唇顎口蓋裂・ダウン症候群・ゴールデンハー症候群・鎖骨頭蓋骨異形成・筋ジストロフィーなど、生まれつきの先天性疾患によって歯並びや噛み合わせに問題が生じているケースです。
この他、現在66種類の疾患が指定されています。
お子さんにこれらの疾患がある場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
3歯以上の萌出不全の矯正
前歯や小臼歯といった永久歯のうち、3本以上が正常に生えてこない萌出不全に起因した咬合異常で、「埋伏歯開窓術」が必要なケースでも、保険が適用されます。
埋伏歯開窓術とは、歯茎や顎の骨に埋まったまま生えてこない歯(埋伏歯)を、歯茎を切開して引き出す手術のことです。
永久歯が1〜2本生えてこない場合や、永久歯が3本以上生えてこないものの、埋伏歯開窓の必要がない場合は保険適用対象外になります。
患者さま自身で判断することはできないため、歯科医師に相談しましょう。
顎変形症手術前後の矯正治療
顎変形症の治療で顎の外科手術が必要になった場合、手術前後に矯正治療が行われることが一般的で、このケースでは保険適用となります。
顎変形症とは、上顎・下顎の骨格の大きさや位置が著しく異なることで、顔の変形や噛み合わせに大きな異常が生じる病気です。
歯並びではなく顎の骨格自体に問題があるため、見た目だけでなく、機能的な問題(咀嚼機能の低下、顎関節への負担増加、発音困難など)も引き起こします。
子供の歯科矯正で保険適用される歯並びの例
ここでは、実際に対象となる可能性がある歯並びの例を紹介します。
該当するかどうかは自己判断が難しいため、歯科医院で詳しい診断が必要です。
一部の受け口(反対咬合)
受け口とは、上の前歯よりも下の前歯が前に突き出ている状態で、「反対咬合(はんたいこうごう)」とも呼ばれます。
上顎と下顎の骨格的なバランスが著しくずれており、顎変形症が原因の受け口で外科手術が必要と判断された場合に限り、保険が適用されます。
一部の出っ歯(上顎前突)
上の歯が下の歯より大きく前方に突き出ている状態を「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」といいます。
いわゆる「出っ歯」の状態で、噛み合わせた際に上下の前歯の間に隙間ができたり、口を自然に閉じにくくなるといった症状が現れることがあります。
出っ歯の場合も、顎変形症が原因で外科手術が必要な場合は、保険が適用されます。
一部の埋伏歯
埋伏歯(まいふくし)とは、永久歯が歯茎や顎の骨の中に埋まったまま、正常に生えてこない状態の歯のことです。
前歯・小臼歯の永久歯が3本以上埋伏していて、「埋伏歯開窓術(外科手術)」が必要と診断された場合は、保険診療の対象となります。
埋伏歯には、完全に埋まっていて外からは見えない「完全埋伏歯」と、一部が歯茎から見えている「不完全埋伏歯」の2つがありますが、いずれも他の歯や歯並びに悪影響を与えるリスクがあります。
「永久歯がなかなか生えてこない」「左右の歯の本数が違う」といった場合は、一度歯科医院で詳しい検査を受けることが大切です。
子供の歯科矯正で保険適用となった場合の費用目安
保険が適用された場合、矯正にかかる費用の自己負担は原則3割(年齢や所得により異なる)となります。
自費診療では総額100万円以上かかることもある歯科矯正ですが、保険が適用されれば同じ治療でも自己負担額を抑えることが可能です。
かかる費用は症例によっても異なりますが、約30~50万円が目安になります。
高額療養費制度もあわせて利用すれば、さらに負担を軽減できるでしょう。
子供の歯科矯正で保険適用されるのは何歳まで?年齢制限は?
子供の歯科矯正における保険適用について、「何歳まで受けられるのか」と疑問に思う方は多いでしょう。
保険適用の矯正治療に年齢制限は設けられておらず、子供・大人を問わず、前述したような保険適用の対象となる疾患や症状に該当していれば年齢に関係なく保険が適用されます。
ただし、先天的な病気や顎変形症は子供の発育に影響を及ぼすため、適切なタイミングで治療を受けることが大切です。
「うちの子はまだ小さいから」「もう中学生だから遅いかも」と思い込まず、お子さんの歯並びや顎はどのような状態か、矯正治療に保険が適用される可能性があるかなど、歯科医院で詳しい検査を受けて診断してもらいましょう。
自費診療の子供の歯科矯正の費用相場は?
子供の歯科矯正は「1期治療」と「2期治療」の2段階があります。
ここでは、1期治療と2期治療それぞれの役割と自費診療の場合の費用相場を紹介します。
1期治療
1期治療とは、乳歯と永久歯が混在する5歳〜11歳頃に行う矯正治療です。
顎の骨がまだ柔軟に成長している時期を活かして、骨格のバランスを整えたり、永久歯がきれいに生えそろうためのスペースを確保したりすることが主な目的になります。
早く始めるほど良いわけではなく、適した開始時期は症例や希望によって変わるため、歯科医師とよく相談しましょう。
1期治療の費用相場は20〜50万円ほどになります。
2期治療
2期治療とは、永久歯が生えそろった12歳以降に行う、歯並びそのものを整えることを目的とした矯正治療です。
治療内容は大人の矯正とほぼ同様で、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を使って歯を正しい位置へ移動させていきます。
2期治療の費用の相場は、使用する装置や症例の難易度によって幅がありますが、20〜120万円ほどが目安です。
矯正治療以外にかかることがある費用
矯正治療では、装置代や基本料金のほかにも、以下のような費用が発生することがあります。
- 精密検査料・診断料
- 調整料(処置料)
- 保定装置(リテーナー)代
- 抜歯費用(矯正時に抜歯の必要がある場合)
矯正治療を始める前に、総額でどのくらいかかるかの目安を確認しておきましょう。
自費診療の子供の歯科矯正の費用を安く抑える方法
保険が適用されない場合でも、工夫次第で費用の負担を軽くする方法はいくつかあります。
ここからは、費用を安く抑えるための主な方法について解説します。
1期治療から矯正を始める
乳歯と永久歯が混在する時期に始める1期治療では顎の成長を利用できるため、2期治療が不要になったり、治療範囲が縮小されることで、トータルの費用を抑えられることがあります。
先延ばしにせず、気になった時点で早めに歯科医院で相談することが、費用面でもメリットにつながります。
部分矯正が可能か検討する
歯列全体ではなく、気になる部分だけを動かす「部分矯正」が適用できる症例であれば、全体矯正と比べて費用を抑えられる場合があります。
ただし、部分矯正はすべての症例に対応できるわけではありません。
骨格に問題がある場合や、噛み合わせ全体を整える必要があるケースでは、部分矯正では対応が難しく、かえって噛み合わせのバランスを崩すリスクもあります。
部分矯正で済むのか、全体矯正が必要なのかは、詳しい検査のうえで判断する必要があります。
費用を抑えられる装置を選ぶ
矯正治療で使用する装置の種類によっても費用は変わり、一般的には費用の安い順に表側ワイヤー矯正、マウスピース矯正、裏側ワイヤー矯正になります。
また、マウスピース矯正の中でも、軽度〜中程度の症例向けのプランは費用を抑えられることがあります。
ふじおか歯科・矯正歯科では、インビザラインのプランを症例に合わせて複数ご用意していますので、費用が気になる場合もお気軽にご相談ください。
医療費控除を申請する
医療費控除とは、1月1日から12月31日の間に支払った世帯の医療費の合計が10万円(総所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた場合に、確定申告によって税金の負担を軽減できる制度です。
子供の矯正治療は、成長期における健全な発育を促す治療目的と認められるケースが多く、自費診療であっても医療費控除の対象となる可能性があります。
申告には領収書の保管が必要となるため、治療開始時から領収書を大切に保管しておきましょう。
分割払い・デンタルローンで1回の支払いの負担を軽減する
一括払いが難しい場合は分割払いやデンタルローンを活用して、1回あたりの支払いの負担を減らす方法もあります。
デンタルローンは銀行のローンと比較して金利が低い傾向にあることが特徴で、利用には審査が必要です。
子供の歯科矯正の費用についてのよくある質問
ここでは、子供の歯科矯正の費用についてのよくある質問を紹介します。
Q:コープ共済や県民共済、民間医療保険などで保障される?
A:一般的な歯科矯正は民間の医療保険や共済では保障対象外となるケースがほとんどです。
ただし、顎変形症の手術を伴うケースなど、保険適用となる治療に該当する場合は入院・手術給付金の対象になる可能性があります。
契約内容によって条件が異なるため、事前に確認しましょう。
Q:補助金や助成金の対象になる?
A:一般的な自費の歯科矯正を対象とした補助金や助成金制度は対象外となることがほとんどですが、先天性疾患や医療的ケア児など特定の条件を満たす場合に助成制度が設けられていることがあります。
制度の有無や条件は自治体によって変わるため、お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認してみましょう。
まとめ
子供の歯科矯正は、特定の疾患などが原因となる場合を除き、原則として自費診療になります。
自費診療の場合でも、1期治療から早めにスタートする、医療費控除を活用するなど、費用負担を工夫で軽減できる方法はいくつかあります。
岡山駅西口より徒歩9分の『ふじおか歯科・矯正歯科』では、お子さんの噛み合わせ・骨格・顔貌との調和まで含めたトータルな視点で治療計画を立て、一人ひとりに適したご提案をしています。
セカンドオピニオンも無料(検査を伴うご相談をご希望される場合は有料)で承っていますので、お子さんの歯並びや矯正治療についてお悩みの親御さんは、ぜひふじおか歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
