岡山市のふじおか歯科・矯正歯科。出来る限り痛くない歯医者、先端機器によるインプラント治療。

コラム

矯正治療

歯科矯正中の食事ガイド|装置別の注意点と痛い時の食べ方を歯科医師が解説

歯科矯正中の食事ガイド|装置別の注意点と痛い時の食べ方を歯科医師が解説

歯科矯正を始めると、「これはもう食べられないのかな」「装置が外れたり虫歯になったりしないかな」と、食事のたびに不安になる方は少なくありません。

矯正中に一律で「食べてはいけない食品」が決まっているわけではありません。

装置の種類や治療の段階に応じて、避けるべき食品と食べ方の工夫を理解することが重要です。

ワイヤー矯正では硬いものや粘着性のあるものへの注意が必要であり、マウスピース矯正では外して飲食した後の歯磨きと再装着の手順がポイントとなります。

この記事では、次の3点を中心にわかりやすく解説します。

  • ワイヤー・マウスピース別の食事の注意点
  • 装置を付けた直後の痛い時期に食べやすいメニュー
  • 矯正中に虫歯を作らないための食べ方と虫歯予防のポイント

なお、注意点は装置や治療段階によって異なり、最終的に何を食べてよいかは主治医の指示が前提となります。

気になることがあれば通院時に確認しながら読み進めてください。

そもそも歯科矯正中の食事はなぜ気をつけるの?

矯正中の食事において注意が必要なのは、特定の食品が制限されているからではなく、食べ方と装置への影響を正しく理解することでトラブルを防ぎ、治療を計画通りに進めるためです。

理由は大きく3つあります。

  • 装置の脱離や破損のリスク: 硬いものや粘着性のあるものは、装置に強い負荷をかける原因になります。
  • 虫歯や歯周病のリスク: 装置の周囲は食べかすがたまりやすく、清掃が不十分な状態が続くと口腔環境の悪化を招きます。
  • 着色のリスク: 色の濃い飲食物は、装置のパーツや歯の表面に色素が沈着しやすくなります。

歯科矯正は、多くの場合、保険適用外の自由診療として行われます。

装置の破損によって計画外の再来院や装置の作り直しが必要になると、時間や費用の面でも負担が増えるため、日々の食事でリスクを抑えておくことには大きな意味があります。

とはいえ、過度に神経質になる必要はありません。

工夫次第で対応できる食品は多いため、まずはご自身が使用する装置の特性と注意点を正しく把握することが大切です。

矯正中の食事で起こりやすい3つのトラブル

矯正中に食事が原因で起こりやすいトラブルは、次の3つに整理できます。

  • 装置の脱離・破損: 硬い食品を前歯でかじったり、粘着性のあるものが装置に絡んだりすることで発生しやすくなります。
  • 磨き残しによる虫歯・歯周病: 装置やその周囲に食べかす・プラーク(歯垢)が残り、清掃が不十分な場合にリスクが高まります。
  • 着色: カレーやコーヒーなど色の濃い飲食物により、ワイヤーを固定するゴムなどに色素が沈着します。

これらのトラブルは食品そのものに問題があるのではなく、装置にかかる負荷や食べ方、その後のセルフケアの質が大きく影響しています。

次章では、それぞれの装置における具体的な注意点を見ていきましょう。

矯正中の食事で起こりやすい3つのトラブル

【装置別】歯科矯正中に避けたい食べ物・食べ方の注意点

矯正中の食事において最も知っておきたいのは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で注意点が大きく異なるという点です。

ワイヤー矯正は装置が常に歯に固定されているため、装置に負担をかけない食べ方が基本となります。

一方でマウスピース矯正は食事のたびに取り外すため、食品そのものの制限は少ない代わりに、外した後のケアと再装着の手順が重要です。

同じ矯正期間中であっても、装置によって注意すべき軸が異なる点を押さえておきましょう。

単に避けるべき食品を覚えるだけでなく、「なぜ避けなければならないのか(装置にどのような影響を与えるのか)」という理由を理解することが大切です。

仕組みが分かれば、記載のない食品であっても自身で適切に判断できるようになります。

【装置別】歯科矯正中に避けたい食べ物・食べ方の注意点

ワイヤー矯正(ブラケット装置)で注意したい食べ物

ワイヤー矯正では装置が歯に固定されたままになるため、装置に絡むもの、強い負荷がかかるもの、食べかすが残りやすい食品に注意が必要です。

避けたい食品と具体的理由は以下の通りです。

  • 粘着性の食品: キャラメル、ガム、お餅、団子、グミ、ヌガー系のキャンディなど。日本臨床矯正歯科医会の解説でも粘着性や硬さのある食品は注意が必要とされており、これらがブラケットやワイヤーに絡むと装置が脱離する原因になります。
  • 硬い食品: せんべい、ナッツ、フランスパン、氷、生の硬い果物など。前歯でかじると装置が外れたり破損したりしやすいため、小さくして奥歯でゆっくり噛む工夫が必要です。
  • 繊維が挟まりやすい食品: ほうれん草、ニラ、もやし、ねぎ、麺類など。装置の隙間に残りやすく、磨き残しの原因になります。食後は鏡で確認することをおすすめします。
  • 着色しやすい食品: カレー、コーヒー、ワインなど色の濃いもの。ワイヤーを固定するゴム(モジュール)に色素が沈着しやすい傾向があります。

特に起こりやすいトラブルは、硬いものや大きいものを前歯で丸かじりして装置が外れてしまうケースです。

回避するコツとして、食材を一口大に小さく切る、前歯ではなく奥歯でつぶすように噛む、左右の歯で均等に噛むといった工夫が挙げられます。

こうした手間で、食べられる範囲は大きく広がります。

マウスピース矯正(アライナー)で注意したい食べ物

マウスピース矯正は食事の際に装置を取り外すため、食品そのものの制限は比較的少ないのが特徴です。

その代わり、外した後のケアと再装着に注意が必要です。

  • 食事のときは必ず外す: 装置を付けたまま口にできるのは、原則として水のみです。色や糖分のある飲食物を摂取する場合は必ず外してください。
  • 付けたままの飲食を避ける理由: 歯とマウスピースの隙間に食べかすが入り込むと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、色の濃い飲食物によって装置自体が変色することもあります。
  • 着け直す前は歯磨きを: 食後は口腔内を清掃してから再装着します。磨かずに装着すると、装置の内側にプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。
  • 装着時間の管理: 食品の制限が少ない一方で、外している時間が長くなりすぎないよう、1日の装着時間は主治医の指示を厳守することが大切です。

実際によくあるトラブルとして、外食の際につい装置を外したまま色のついた飲み物を飲み続けてしまう場面が挙げられます。

「外す・飲食する・磨く・再装着する」という一連の動作を習慣化することで、着け忘れやトラブルを防止できます。

装置を付けた直後・調整後の「痛い時期」に食べやすいメニュー

装置を付けた直後やワイヤーを調整した後の数日は、噛むときに痛みを感じやすい時期です。

この期間は、軟らかく噛む力が少なくて済むメニューを選ぶことで食事の負担を軽減できます。

痛みの程度や持続期間には個人差があり、多くは数日で和らぎますが、強い痛みが引かない場合は無理をせず主治医に相談してください。

栄養が偏らないよう、各カテゴリで食べやすいメニューを紹介します。

  • 主食: おかゆ、リゾット、ドリア、軟らかいパン、煮込みうどん(短く切ると食べやすくなります)
  • 主菜: スクランブルエッグ、茶碗蒸し、豆腐ハンバーグ、麻婆豆腐、白身魚、ひき肉料理
  • 副菜・汁物: 軟らかい煮物、温野菜、スープ、ポタージュ
  • デザート・補食: ヨーグルト、ゼリー、プリン(糖分の摂り過ぎには注意が必要です)

食べ方の工夫として、食材をあらかじめ一口大に小さく切る、極端に熱いものや冷たいものは避ける、痛みのある側で無理に噛まないといった点に気を付けると、痛む時期の食事が格段に楽になります。

装置を付けた直後・調整後の「痛い時期」に食べやすいメニュー

痛い時期でも栄養が偏らないようにする工夫

軟らかいものを選ぶと、どうしてもおかゆやパンなどの炭水化物に偏りがちです。

しかし、体調を整えて治療を進めるためには、たんぱく質やビタミンもバランスよく摂取する必要があります。

たんぱく質は、卵(スクランブルエッグや茶碗蒸し)、豆腐、白身魚など、軟らかく調理しやすい食材から取り入れることができます。

野菜はスープやポタージュにしたり、温野菜としてしっかり火を通したりすることで、噛む負担を抑えながら摂取可能です。

痛みの強い時期こそ、調理のひと工夫で栄養バランスを意識してみてください。

矯正中に虫歯を作らないための食べ方と虫歯予防

矯正中は装置の周りに食べかすやプラーク(歯垢)がたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

だからこそ、食べ方とその後のケアをセットで意識することが、治療を順調に進めるうえで重要です。

基本となるのは、食後できるだけ早いタイミングで歯磨きを行うことです。

外出時に携帯用の歯ブラシを持ち歩くことで、外食後であっても速やかにケアを行えます。

加えて、糖分のとり方も見直したいポイントです。

厚生労働省のe-ヘルスネットの解説にあるように、虫歯を予防するうえでは砂糖を含む食品・飲料や間食の取り方に気をつける必要があります。

間食には虫歯の原因となりにくい代用甘味料を使用した食品を選ぶことが有効です。

また、だらだら食べや甘い飲み物を頻繁に口にする習慣を避け、規則的な食事のリズムを意識することが推奨されています。

特に痛い時期は、食べやすさから甘いゼリーやジュースばかりになりがちです。

糖分を摂取する回数(頻度)を抑えつつ、前の章で紹介した軟らかい主菜や汁物で栄養を補うと、虫歯のリスクを抑えながら食事を続けられます。

外食・旅行・コンビニでの食事の工夫

矯正中でも、外食や旅行を楽しむことは十分にできます。

装置に合わせて、事前の準備とメニュー選びを少し工夫するのがポイントです。

  • ワイヤー矯正の外食: 奥歯で噛める軟らかいメニューを選び、骨付き肉や硬いパンの丸かじりは避ける必要があります。
  • マウスピース矯正の外食: 外して食べ、着け直す前に磨けるよう、歯ブラシセットと装置用の保管ケースを携帯してください。外している間はケースに入れて管理することで、置き忘れや破損を防止できます。
  • コンビニの活用: おかゆ、スープ、ヨーグルト、茶碗蒸し、軟らかい惣菜など、痛い時でも食べやすい商品を選択できます。
  • 旅行のとき: 出発前に、次の通院の間隔や、装置に関して困ったときの連絡先を主治医にあらかじめ確認しておきましょう。

メニューの選び方と携行品を少し工夫するだけで、通常通り食事の時間を楽しむことが可能です。

よくある質問(FAQ)

Q. 矯正中はガムを噛んでもいいですか?

ワイヤー矯正では、ガムが装置に絡みやすく装置が外れる原因になるため、控えるのが基本です。

マウスピース矯正では外して過ごしますが、扱いは装置の種類や治療段階によって異なります。

噛んでよいかどうかは、事前に主治医に確認してください。

Q. 外食時にマウスピースを外したあと、どうしても歯磨きができないときはどうすればいいですか?

まずは水で口の中をよくすすぎ、食べかすを流してから再装着してください。

可能であれば、携帯用の歯ブラシや歯間ブラシで軽く清掃できるとより効果的です。

その場で磨けなかった場合も、帰宅後はできるだけ早く丁寧な歯磨きを心がけましょう。

ただし、外している時間が長くなりすぎないよう、装着時間の目安は主治医の指示に従ってください。

Q. 矯正中にコーヒーやお茶は飲めますか?

飲むこと自体は可能ですが、色の濃い飲み物には着色のリスクがあります。

マウスピース矯正の場合は外してから飲み、ワイヤー矯正の場合は飲んだあとの歯磨きを徹底しましょう。

具体的な飲む頻度や量については、主治医の指示も参考にしてください。

まとめ|装置と治療段階に合わせて、無理のない食事を

歯科矯正中の食事は、一律で「食べてはいけないもの」が固定されているわけではなく、装置の種類と治療段階に応じて、避けるべき食品と食べ方の工夫を把握することが重要です。

ワイヤー矯正は硬いもの・粘着性のもの・繊維が挟まりやすいものに注意し、マウスピース矯正は外して食べたあとの歯磨きと着け直しが鍵になります。

痛い時期は軟らかいメニューで栄養バランスを意識し、虫歯予防のために食後のケアと糖分のとり方にも気を配りましょう。

参考文献

[1] 矯正装置をつけると、発音や食事がしづらいと聞きますが、どの程度でしょうか?(日本臨床矯正歯科医会) (https://www.jpao.jp/faq/life/entry-4427.html)

[2] 歯が動くときの痛みはどの程度ですか?(日本臨床矯正歯科医会) (https://www.jpao.jp/faq/life/entry-4429.html)

[3] むし歯の予防法(総論)|e-ヘルスネット(厚生労働省) (https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-005.html)

[4] う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法|e-ヘルスネット(厚生労働省) (https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-013.html)

記事監修者

ふじおか歯科・矯正歯科 院長 藤岡 直也

ふじおか歯科・矯正歯科 院長

藤岡 直也

  • 日本顎咬合学会認定医
  • 国際口腔インプラント学会ISOI認定医
  • 日本口腔インプラント学会 会員
  • ILSC即時荷重研究会 理事
  • Study Group Make A Line 理事
  • 北九州アライナー咬合学研究会 理事
  • MEGAGEN IMPLANT 公認インストラクター
  • Align Educator(Invisalign Official Speaker)

院長情報を詳しく見る

ふじおか歯科・矯正歯科への
ご予約・お問い合わせ