小児矯正装置の種類│特徴やメリット、費用や治療期間を解説!
「小児矯正にはどんな種類があるの?」
「費用はいくら?」
「どれを選べばいい?」
子供の矯正を考えたとき、こんな疑問を感じている親御さんは多いのではないでしょうか。
小児矯正で使われる装置はさまざまで、取り外しができるもの・固定するもの・首や頭など外側に装着するものなど、大きく3つのタイプに分けられます。
それぞれ特徴や対応できる歯並びの状態が異なるため、お子さんに合った装置を選ぶことが治療成功のために大切です。
この記事では、1期治療で使われる矯正装置の種類と特徴を中心に、小児矯正の費用や期間の目安について詳しく解説します。
小児矯正の矯正装置は大きく分けて3種類!期間と費用目安
小児矯正には「1期治療」と「2期治療」の2段階があります。
1期治療(5歳〜11歳頃まで)は、顎の成長を利用して上下の顎骨の形やバランスを整えたり、歯の並ぶスペースを確保するもので、成長期の子供のうちにしかできない治療です。
2期治療(12歳以降)は永久歯が生え揃った後に行い、1期治療でつくったスペースに歯を並べていきます。治療内容としては成人矯正とほとんど同じです。
小児矯正(1期治療)で使用される矯正装置は、大きく分けると以下の3種類があります。
1期治療の期間は、1〜3年ほどが目安です。
| 分類 | 取り外しできるか | 費用相場 |
|---|---|---|
| 可撤式矯正装置 | 取り外しできる | 3万円〜80万円 |
| 固定式矯正装置 | 取り外しできない | 3万円~5万円 |
| 顎外固定装置 | 取り外しできる(首や頭に固定) | 30万円~40万円 |
装置にはさまざまなものがあり、種類によって費用には幅があります。
取り外しできる可撤式矯正装置は種類が多く、お子さんのお口の状態によって適した種類は異なるため、治療内容・適した装置・費用相場を詳しく知りたい場合は、歯科医院で相談しましょう。
1:可撤式矯正装置(取り外しできるタイプ)
可撤式矯正装置は、自分で取り外しできるタイプの装置です。
取り外せるため食事や歯磨きが普段通りにでき、虫歯や歯周病のリスクが低い傾向にあります。
一方で、装着時間が不足すると効果が出にくいため、家庭での管理が重要です。
取り外しできるタイプの可撤式矯正装置には、以下のような種類があります。
- 拡大床
- バイオネーター
- ムーシールド
- リップバンパー
- FKO(アクチバトール)
- ツインブロック
- プレオルソ
- インビザライン・ファースト(マウスピース矯正)
それぞれの特徴を解説します。
拡大床
拡大床は床矯正とも呼ばれ、歯列弓(歯が並ぶための土台)の幅を広げるために用いられる代表的な装置です。
歯が生えてくるスペースが不足している場合に、この装置を使って歯列を拡大することで、歯が生えてくるスペースを確保します。
個人差がありますが、8〜18時間以上の装着が必要です。
バイオネーター
バイオネーターは、下顎の位置を前方へ誘導することで噛み合わせを改善する装置で、装着時間は1日10時間ほどです。
主に下顎が小さいか、後ろに下がっている出っ歯(上顎前突)の改善を目的として使用されることが多く、口周りの筋肉のバランスを整える働きもあります。
ムーシールド
ムーシールドは、受け口(反対咬合)の改善を目的とした装置です。
舌や口周りの筋肉の動きをコントロールし、下顎が過度に前に出るのを防ぎ、上顎の成長を促進することで正常な噛み合わせへ導きます。
3〜6歳頃と小さい頃から使用できることが特徴で、就寝時を中心に1日10時間の装着が必要です。
リップバンパー
リップバンパーは、下唇と下の前歯の間にパッドを挟み、唇の圧力が歯に直接かかるのを防ぐ矯正装置です。
唇の力をリップバンパーが受け止め、その力が奥歯へと伝わることで奥歯を後方へ移動させ、歯が並ぶためのスペースを作ります。
下唇を吸ったり噛んだりする癖があるお子さんに有効で、装着時間は1日18時間以上が目安です。
FKO(アクチバトール)
FKO(アクチバトール)は、機能的矯正装置と呼ばれており、上下一体型の装置を装着して噛み合わせを正しい位置に誘導し、お口周りの筋肉の力を活かして下顎の成長を促します。
下顎の成長が上顎に対して不足して出っ歯(上顎前突)になっているケースや、受け口(下顎前突)、上下正中のずれ、顎の歪みなどで使用されます。
主に夜間就寝時に使用し、1日10時間以上の装着が必要です。
ツインブロック
ツインブロックは、上下に分かれた装置を装着し、噛む機能を利用して下顎を前方へ誘導する仕組みの矯正装置です。叢生もある場合は、拡大ネジを併用することもあります。
装着は就寝時のみが基本のため、管理しやすい装置といえます。
プレオルソ
プレオルソは、柔らかい素材でできた上下一体型のマウスピース型矯正装置を使い、歯を直接動かすのではなく、歯並びの土台(お口周りの筋肉のバランス)を整えることを目的としています。
悪習癖(指しゃぶり、口呼吸)などを改善し、歯並びの乱れを防止する効果もあります。
装着時間は1日8時間が目安です。
インビザライン・ファースト(マウスピース矯正)
インビザライン・ファーストは、6〜10歳のお子さんを対象にしたマウスピース型矯正装置です。
一人ひとりの歯の形に合わせてオーダーメイドで製作され、段階的にマウスピースを交換しながら歯を少しずつ正しい位置へ動かしていきます。
透明で目立ちにくく、「装置の見た目が気になる」というお子さんや親御さんから支持されています。
歯列の拡大と歯並びの調整を同時に行えることが特徴で、治療期間を短縮できる可能性があります。
ただし、1日20時間~22時間の装着が必要なため、お子さん自身の協力はもちろん、親御さんのサポートが必要です。
2:固定式矯正装置(取り外しできないタイプ)
以下は、固定されており自分で取り外しができないタイプの装置です。
種類によっては目立つことがあり、歯磨きの難易度が上がるため、虫歯や歯周病にならないよう普段以上に丁寧なケアを行うことが大切です。
- 急速拡大装置
- リンガルアーチ
- タングガード
- クワドヘリックス
それぞれの装置について、詳しく見ていきましょう。
急速拡大装置
急速拡大装置は、歯列ではなく上顎の骨を左右に広げるための固定式装置です。
上顎の横幅が狭い場合に使用し、歯が並ぶスペースを確保します。
短期間で効果を得やすい治療法である一方、一時的に痛みや圧迫感を感じることがあります。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、歯の裏側(舌側)にワイヤーを固定して歯列をコントロールする装置です。
主に受け口の改善や、乳歯が早く抜けてしまった場合に歯の位置を維持するために使用されます。
歯の裏側につけるため目立ちにくいというメリットがある一方、舌に触れるため最初は違和感を感じやすい傾向があります。
タングガード
タングガードは、歯並びを乱す原因になる舌の癖(舌突出癖)を改善するための装置です。
上顎の前歯の裏側に柵のような装置を設置し、舌が前に出るのを防ぐことで歯並びの悪化を抑えます。
指を吸う癖の改善も期待できます。
クワドヘリックス
クワドヘリックスは、上顎を拡大するための装置で、奥歯に固定して歯列を横方向に拡大します。
歯の生えてくるスペース不足で歯並びがガタガタになっているケースや、交叉咬合(上下の噛み合わせが一部反対になっている状態)の治療などに使用します。
3:顎外固定装置(首や頭で固定するタイプ)
小児矯正の装置には、首や頭で固定する「顎外固定装置」というタイプもあります。
- 上顎前方牽引装置
- ヘッドギア
- チンキャップ
- プロトラクター
ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
上顎前方牽引装置
上顎前方牽引装置は、上顎の骨の発育が不十分なことが原因で受け口になっている場合に使用する装置です。
おでこと下顎を支点にして装着し、口の中に入れた固定式装置とゴムで連結させ、上顎全体を前方へ引っ張ることで成長を促し、上下顎のバランスを整えていきます。
1日に12時間以上の装着が目安です。
ヘッドギア
ヘッドギアは、上顎の成長を抑制したり奥歯の位置をコントロールするための装置です。
頭や首に固定し、口の中に装着した装置を通して、上顎に対して後ろへ引っ張る力をかけて移動していきます。
引っ張る方向は骨格のタイプによって異なり、頭の上から引くタイプと首の後ろから引くタイプがあります。
チンキャップ
チンキャップは、下顎の過剰な成長を抑えるために用いられる装置です。
顎先にカップを装着し、頭部のヘッドキャップと連結して力を加えることで、下顎が前に出るのをコントロールし、受け口の進行を防ぎます。
装着時間は14時間以上が目安で、自宅にいるときは食事・歯磨き以外の時間は装着しているイメージです。
プロトラクター
プロトラクターは、顔の外側から上顎を前方へ引っ張るための装置で、上顎が小さいことで受け口になっている場合に使われます。
顔に装着するフレーム状の装置と、口腔内の固定式装置を専用のゴム(エラスティック)で連結し、ゴムの力で上顎に持続的な力を加えます。
1日10〜12時間以上が装着時間の目安です。
2期治療(12歳以降)の小児矯正で使われる装置
2期治療は、永久歯が生え揃った12歳以降に行う矯正治療です。
1期治療で顎の土台や骨格的なバランスを整えたあと、2期治療では個々の歯の位置や傾きを細かく調整し、理想的な噛み合わせと歯並びに整えていきます。
使用する装置は大人の矯正と基本的に同じで、「ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)」や「マウスピース矯正(インビザラインなど)」があります。
ここからは、それぞれの特徴について解説します。
ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)
ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)は、歯の一本一本にブラケットと呼ばれる小さな金属パーツを装着し、そこにワイヤーを通して歯全体を少しずつ動かしていく方法です。
装置を装着する場所によって「表側矯正(歯の表側に装着)」、「裏側矯正(歯の裏側に装着)」「ハーフリンガル矯正(上の歯には裏側、下の歯には表側に装着)」などの種類があります。
軽度の歯並びの乱れから重度の噛み合わせのズレまで幅広い症例に対応できることが特徴で、固定式のため装着時間を管理する必要がありません。
一方、歯ブラシが届きにくい部分が増えるため、虫歯・歯周病を防ぐための丁寧な毎日の口腔ケアが大切です。
マウスピース矯正(インビザラインなど)
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくいプラスチック製のマウスピースを装着し、段階的に交換することで少しずつ歯並びを整えていく矯正治療です。
代表的なマウスピース矯正としては、世界で1700万人以上が使用する実績を持つ「インビザライン」があります。
インビザライン・ファーストのみで治療が完了するケースもありますが、必要に応じて2期治療として通常のインビザラインを行うこともあります。
矯正治療終了後に使うリテーナーの種類
矯正治療が終わったあとも、歯を安定した位置に保つための「リテーナー(保定装置)」の使用が必要です。
ここでは、代表的な3タイプのリテーナーについて解説します。
プレートタイプ(取り外しできる)
プレートタイプは、歯の裏側をプラスチックのプレートで支え、表側をワイヤーで抑える取り外し可能なリテーナーです。
リテーナーの中でもスタンダードなもので、耐久性が高く長く使い続けられることや、多少歯の形が変わった場合でも修理できるメリットがあります。
ただし、ワイヤーが少し目立つことがあり、慣れるまでは喋りにくさを感じることがあるでしょう。
マウスピースタイプ(取り外しできる)
マウスピースタイプは、透明なプラスチックのマウスピース型の取り外し可能なリテーナーです。
装着していても目立ちにくく、見た目が気になる場合でも使用しやすいでしょう。
比較的安価で、短時間で再作製できますが、歯ぎしりや食いしばりがあると、すり減ったり穴があいて壊れてしまうことがあります。
フィックスタイプ(取り外しできない)
フィックスタイプは、歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で直接固定する取り外しできないリテーナーです。
自分で取り外しができないため装着忘れがなく、後戻りのリスクを低く抑えられる点が大きなメリットです。
歯の裏側に装着するため目立ちにくく、装着時の違和感も少ない傾向にあります。
ただし、ワイヤー周辺に歯石や汚れが溜まりやすいため虫歯・歯周病予防ケアの徹底や、歯科医院での定期検診を受けることが大切です。
小児矯正の矯正装置で子供に合ったものを選ぶには?
小児矯正の装置にはさまざまな種類がありますが、「お子さんに合っているかどうか」が非常に大切です。
そのため歯科医院では、歯並びの状態だけでなく、年齢、性格、ライフスタイル、親御さんなど周囲のご家族のサポート体制などを総合的に考慮したうえで適した治療法を提案します。
まずは信頼できる経験豊富な矯正歯科医師に相談して、お子さんの口の中をチェックしてもらい、いくつかの方法を提案してもらいましょう。
そのうえで、お子さんの性格やライフスタイルなども考慮し、本人に無理のない装置を選ぶことが、治療を成功させることにつながります。
まとめ
小児矯正で使用する装置には、さまざまな種類があります。
お子さんの歯並びや顎の状態、性格やライフスタイルに合った装置を選ぶことが、治療をスムーズに進めるために大切です。
また、小児矯正は成長期にしかできない治療が数多くあるという点で、成人矯正と大きく異なります。
早い時期に適切な治療を始めることで、将来の抜歯リスクを減らしたり、2期治療の期間や費用を抑えられる可能性があるため、お子さんの歯並びが気になっている親御さんは、一度歯科医院で相談してみましょう。
岡山駅西口より徒歩9分の『ふじおか歯科・矯正歯科』では、お子さんの歯並び・噛み合わせなど矯正治療の無料相談を承っております。
「うちの子にはどの装置が合うのか」「いつから始めるべきか」など、小児矯正に関するご不安やご疑問がございましたら、お気軽にご相談ください。
